パーキンソン病による外反母趾
僕には尊敬する人がいます。
それは4000本安打を達成したイチロー選手です!
僕がイチロー選手を尊敬しているのは、天才だからではありません。
彼の言葉に、「小さな積み重ねの努力だけが、偉大な偉業を達成できる」と言っていました。
イチロー選手は毎日毎日、ルーティンワークを崩さず努力したと言います。
地味で単純な練習や努力の積み重ねが彼をここまでの4000本という誰も届かないであろう記録を達成するに至ったんだと思います。
2000本安打を達成した時、「次の目標は3000本ですね?」と質問されたイチロー選手は「2001本目です。」と答えました。
その瞬間から本当に尊敬しています。
僕も、師匠に「小さな積み重ねが課題だ」とよく言われています。
毎日一歩一歩小さな努力を積み重ねて治療業界のイチローを目指して頑張ります。
今日は40年間外反母趾に悩んでおられる、70代女性K.Hさん
膝、腰、足の指が痛く、孫たちの守がとても大変に感じるということでした。
ご来院までの経緯
40年前からヒールを履く習慣により発症しそのころは少し痛む程度となりました。
30年前ほどから、痛みが増し、外反母趾を治すためのグッズでごまかしながら過ごしてきました。
6年前から痛みがひどくなり、整形外科に3年通い、その間外反母趾専門の靴屋さん、インソール屋さんなどを試すも、
良くなる気配はなく、今回、外反母趾専門整体を受ける決心をされてご来院いただきました。
膝の状態も悪く3年前から3か月に一回は水を抜かないと痛くて歩けないというひどい膝痛もありました。
検査と状態
K.Hさんは意外と足のアーチ(人の足の持つ立体構造)の崩れは少なく、これなら良くなるのも早いと僕は判断していました。
しかし、気になったのは頭、背中、そして鎖骨より上の首の緊張の強さでした。そして、じっとしているときも常に手足に震えが出たり、姿勢が勝手に崩れていったりしていて、お話をお聞きすると10年前からパーキンソン病が発症しているということでした。
そしてその影響により、親指が強く緊張し、外反していることが分かりました。そのため、母趾が足の人差し指の下に潜り込み、左足は激痛がでていました。
治療と効果
初回~4回目までは目立った変化はなく、逆に施術後に足に痛みが出たとおっしゃることが多かったです。
6回目の施術では、パーキンソン病に対する施術を行いました。
自律神経系、中枢神経系、脳神経系を意識した施術を行い、脳への血流が流れるように意識して施術を行いました。
7回目に来られた時、「家族から震えなくなった」と言われ、
8回目では「以前は本を読んでるときに震えて読めなかったのに、今は読める」と喜んでおられました。
9回目の施術でやっと、外反母趾に対してポジティブなご報告を受けました!
「歩きやすくなり、痛みが減った」と\(^o^)/
13回目の施術で、完全に痛みが消失しました。
もちろん膝の痛みも消え、今まで3か月に一度膝の水を抜きに行ってましたが、8か月間抜いていません!
考察
K.Hさんの場合、通常の外反母趾に対する構造の治療をしてもすぐに元に戻り効果が出にくかったです。
それは、まぎれもなくパーキンソンの緊張でした。
親指の緊張が特に強く、全身も左に曲がり回転していました。
神経系への栄養供給により、パーキンソンの症状が改善するにつれ、今までの外反母趾治療の成果が徐々に出てきました。
しかし、K.Hさんには、
ランニングシューズを勧め(歩き方をいいように誘導するため)、
テーピングソックスを勧め(指の緊張が強くどうしても矯正が必要だったため)、
インソールを勧め(体重のかかり方を調整し、良くなる可能性を増やすため)
すべて購入していただき、
さらに外反母趾を予防する運動、改善するストレッチも毎日していただきました。
パーキンソンの薬を減らすように勧めましたが(パーキンソンの薬はドーパミンと同じような働きをするため、交感神経系が緊張し結果として血流障害を作ってしまうため)それだけは、怖いので拒否されました。
そして、外反母趾整体だけでなく、血液循環整体を定期的に受けていただき、人一倍努力されました。
その結果、目覚ましい改善を遂げられたのです!
今でも、パーキンソンの緊張が残っているので定期的なメンテナンスは必ず必要だと伝え、受けていただいています(`・ω・´)